5つの評価軸で点数をつけてレベル評価する

5つの評価軸で点数をつけてレベル評価する

ポジショニング戦略には、思想設計が異なる5ウェイポジショニング戦略がある。5ウェイポジショニング戦略は、レベルに応じた点数で評価する仕組みで、競合とどのよう差別化し、どの要素にリソースを投資するかを考える上で、とても具体的な方法論である。

5つの評価基準

5ウェイポジショニング戦略では、5つの異なる評価軸を持っている。
  1. 価格
  2. アクセス
  3. サービス
  4. 経験価値
  5. 商品

3つのレベル評価

これらの価値基準を、更に3レベル評価して点数付けをする。
  • レベル3・選び出される・5点
  • レベル2・差別化できている・4点を
  • レベル1・受け入れる・3点
  • それ以下・拒否される
点数とレベルの数字が一体化していないところがややこしい。同じでいいではないか。冗長である。従って、結果が変わらないのであれば、点数やレベルを変更しても良いと個人的には思う。従って下記の方がシンプルだ。
  • レベル5・選び出される・5点
  • レベル4・差別化できている・4点を
  • レベル3・受け入れる・3点
  • それ以下・拒否される

5つの基準を元に採点する

5つの評価基準を元に、自社、そして競合を採点しよう。それぞれの基準値は、表で表すと理解しやすくなる。
価値基準
顧客の期待
レベル5 レベル4 レベル3 それ以下
点数
選び出す 好む 受け入れる 不信感
価格 公正な価格 言い値でOK お任せ価格・圧倒的低価格 公正で一貫性のある価格設定・コスパ良 正確な価格設定・普通の価格 一貫性がなく不道徳な価格設定 3
経験価値 顧客との親密さ 他社では築けない親密な関係を構築 目的達成に配慮し敬意もある 敬意を払い、人として扱う 失礼で自己中心的な対応 3
購入体験 基本に忠実・徹底 ニーズに合わせて個別カスタマイズ 欲しい商品を探してくれる 便宜を図ってくれる 記憶から削除したい 3
商品 最高よりソコソコ 想像すらしなかった素晴らしい性能 求める機能の全てを満たす性能 最低限の機能を満たす性能 低品質で使い物にならない 3
アクセス 物理的・心理的な ナビゲーション 何のストレスもなくスムーズである スムーズになる為の配慮がある 確認したい情報が確認できる 非常に時間がかかるか買えない 3

理想のスコアは5.4.3.3.3

5ウェイポジショニング戦略の秀逸な点の一つに、リソースの分配方法が現実的である事があげられる。このような点数付けを行おうとすると、全体で満点を目指したくなるものだが、それはリソースの無駄遣いであるとしている。 最終的には、5.4.3.3.3のスコアで、かつ合計点が競合と自社を含めた市場全体で最も高ければ、その市場で勝利できるというシンプルな理論だ。 まずは競合の点数は正確にしておきたい所だ。競合が5.4.3.3.3を実現している場合も当然ある。その場合はより強く貫くか、ズラして行くしかない。 どこを強くする必要があり、自社の手駒や実現可能な方法で何ができるかを考えれば、今後どういったサービスを展開して行くか?またはどういったサービスを展開するか?全てのマーケティングの発想の基礎となる。