事業を売却するという選択肢

事業を売却するという選択肢

事業をどういった事業でも出口は4つ。上場、売却益、継承、清算だけです。中には、このいずれも選択しないツワモノもいますが、それは特殊なお話です。我々も例外では無いのですが、出口を決めてやらないと方向性がブレブレになります。今回は出口を決めて、ブレないで事業していこうというお話。

そもそもなぜ出口(Exit)を考えるのか?

何事も「そもそも論」で考えるのがワタクシです。出口とかイグジットとか、格好いいセリフですよね。最初は「かっこいいからやってみたい」だったんですが、やればやるほど、出口って大切だと認識した次第です。で、何でもそうなんですが、「ゴール」を決めてやらないとダメなんですよ。七つの習慣的な言い方をすると「終わりを思い描くことから始める」というやつです。どんなに努力しても、はしごをかけ間違えると、努力した分だけ早く、間違った場所にたどり着くだけです。

4つの出口からどれを選択するか?

結論から言うと、売却や継承が濃厚です。私の場合は売却を選択。出口戦略に関しては、私なんかよりかなりテクニカルに説明しているサイトや専門家は、それこそ腐るほどいるので、今ここで改めて書くのは非常に恥ずかしい感じがします。しかし、専門家の書く記事というのは、本当にわかりにくい。そんなに格好つける必要あるんかね?と感じます。現場はいつも泥臭い。

上場や清算を考えない理由

そりゃね、上場出来るならそれでいいわけなんですが、上場っていうのは、「上場できるビジネスモデル」っていうのがあるわけで。普通にネット物販の会社とかは、掃いて捨てるほどいるのでまったく論外なわけです。肝心なビジネスの根幹は、創業者の利益のために存在していることが普通ですので、創業した瞬間から、上場は考えられない。ということで私も論外。清算は、事業の取り潰しなので、これも論外。まぁ清算して手残りが多ければ、そういう選択肢もありかもしれません。

継承と売却をありきで考える

上場と清算がありえないとして、売却か継承となります。継承というのが、二代目に引き継ぐとかそういうことになるんですが、これは家族経営的には昔からよくあるイグジットかと思います。ただ、現代や、小規模ビジネスではあまり現実的ではないというか、業種を選ぶような気がするんですよね。ネット物販的な「継承」でしたら、雇われ社長を用意して、片腕となれる人間に、経営を任せる感じになると思います。 最後に、消去法的に「売却」という選択肢が残ったんですが、アメリアのベンチャー企業なんかでは、むしろ売却が一般的で、スタートアップは売却ありきでビジネスを立ち上げるそうです。IT企業なんかはその傾向が顕著で、Googleなんかの大企業に買い取ってもうことをゴールとして立ち上げているようです。

小さいビジネス規模でも売却できるのか?

かっこいい企業のことはいいからネット物販的にどうなのよ

という意見がありそうですね。というかやっぱりあるんですよね。小さい企業的にはそんなこと関係ないから、さっさと稼げよ。的な感じです。まぁ私もそういう感じでやってきたんですが、全体的な話をすると、ネット物販で成功している部類の会社って、世の中的には相当成功している部類に入るようなんですね。世の中、箸にも棒にもかからない企業は多いようです。つまり、ネット物販でそこそこ成功できると、それだけで欲しがる会社は結構いるんだよ。ということです。

買い手さえいれば売れる

事業がいいかどうか、独自性がるかどうか、そういうことはどうでもよくて、最終的には「買い手がいる」ことが全てになるわけです。もちろんその為には独自性とか安定性が必要であることは確かです。ですが結局、買い手がどこにメリットを見出すか?ということが大切で、かつ「タイミング」というのも重要なわけです。ですから、最初から出来る出来ないを判断しないで、やりたければやってみたら良いという

事業の売り方

売却方法には、「事業」の売却と「企業」の売却があり、会社をまるっと売るのは「企業」の売却となります。事業の売却は結構面倒で、契約の変更や、既存事業との切り離しや、人員の排出とか、まぁあんまりやるもんじゃにですね。やるなら会社ごと丸っと売るのは早くて簡単です。株式会社というのは、株式を譲渡できるように作られている仕組みなので、株式譲渡という形で、会社のオーナーチェンジを行うことが出来ます。

企業価値を金額で算出する方法

一般的には、純資産 + (経常利益 × 3年分) = 企業価値 とか言われています。一般的にはですね。ただし、結局これも「買い手」が決めることなので、相談しながら決めていくことになります。お客さんが極めて少ない売り方で、かつ高額な買い物になるので、買い手と売り手が相互に満足できるようにやっていく必要があるんですよね。 結局、売却が完了した後に、シナジーがあったら、多少高い金額であったとしても、買い手は買いたくなるわけですね。なので、シナジーのある会社に買い取ってもらうのが一番良い選択となります。一番高く買ってもらえるので。懇切丁寧に話しても、会社の価値をわかってもらえないようなら、売らない方が良いという考え方です。ライバル企業に買い取ってもらうのが一番良いかと思ってます。

売却するためにやってはいけないこと

いざ売却がゴールとなると、やっていいことやって悪いことが明確にわかるようになってきます。節税と称した資金の使い込みが一番ダメで、売却金額を恐ろしく下げてしまいます。経常利益の3倍でと考えるなら、1万円買い込んだら、3万円分の価値が下がることになります。使いたい分は、きちんと給料として分配し、すこぶる綺麗な決算書を作るのが最善の方法となります。 給料に関しては、結構高くしても大丈夫なんですね。買い手も会社ですから、どういった所で節税しているかとかは、同じ考え方で理解できるので、給料が高くても、売却が完了すれば、その金額が浮くことがわかるので、むしろそこはプラス評価になるわけです。結局のところ、会社の企業価値を高めていくことが大切になるわけです。その逆の行為をやってはいけない。

まとめ

売却の話をすると、経営者によっては「考えられない」という反応をする方も意外と多かったです。「子供のように可愛がってるから」という考え方ですね。私も理解できます。そもそも全身全霊で会社作ってるので、可愛くないわけがないんですよ。それでも売る。というかそういう感じで経営している会社の方が企業価値が高い。あとはライフスタイルの問題。 自身をどう定義するのか?売りたい商品は何か?どういった顧客と付き合っていきたいのか?考えたことは結構あります。私は自身を「実業家」と定義しているし、会社を商品とすることに異論はないし、会社を買ってくれるような金持ちと付き合っていきたい。そう考えると「売却」という選択肢はすこぶる自然な成り行きだったわけです。 一回売却まで行ったら、ゲームで言うところの「全クリ」みたいな感じですね。もう一回やるときは、もっとうまくやりたいです。もっとうまく、最初から売却ありきで作った会社って、どういう成長するのか楽しみですね。大成功したビリオネアも、最初の事業ではなく、二回目以降の事業で成功する確率が高いようです。