恐らく最も多い質問のうちの一つが「どうやったら売り上げ上がりますか?」だ。
当然、たくさん売って、たくさん儲けて、自己実現して、ハッピーになりたいと、みんなそう思って独立しているだろうし、儲けたいことは絶対に正しい。がしかし、この質問自体は正しいとは言えない。理由は「売上」が非常に複雑な複合要因で成り立つからだ。複合要因を全部無視して、一括でそれを質問されても、非常に回答に苦慮すると言うものだ。
複合要因は、分解することでわかりやすいものに変わっていく。一緒に分解していこう。
売上を構成する要素
売上の方程式
集客 × 転換率 × 客単価 = 売上
俗に言う売上の方程式と呼ばれるもので、これは無視しない方が良い。なぜなら非常に優れているからだ。ただ一点、集客し続ければ無限に売上が増えるのか?と言われるとそう言うわけではないので「市場規模」という枠組みの中で発揮する公式だ。
((市場規模 × 集客) × 転換率 × 客単価) = 売上
だからまぁ、多少無理矢理ではあるが、この様にした方が現実に近い公式になる。
- 市場規模
- 客単価
- 転換率
- 集客
従って、売上を構成する要素は大枠で上記の4つとなり、上から順番に重要度が高い。
それぞれの改善施策
市場規模
市場規模は、コントロールできない要因の一つだ。従って「市場規模の大きいものを選ぶ」という自身の行動を変化させることで状況をコントロールすることができる様になる。最初からニッチを狙ってはいけない。市場希望の大きいカテゴリーの中で独自のポジションを築けば、それはニッチとなる。大きな市場の中でニッチを確立するようにしよう。
今、売上を改善したい商品がそうでないのならば。傷口が大きくなる前に潔く撤退するのも戦略のうちだ。つまり売り切ってやめる。
例えば、昔よく売れていたが今売れなくなった商品。当然昔の様に売上が復活するのを望むだろう。
ただ、今一度よく考えてみてほしい。
- その商品はあなたの人生を消費する価値があるだろうか?
- あなたの人生を消化して同等かそれ以上の対価が得られるだろうか?
- そもそも元々本当にやりたい商品だったろうか?
- その市場は斜陽カテゴリーではないだろうか?
視野を広くしてみた時、実はそのプロダクトに固執する理由はあまりないのかもしれない。もしそうであれば、そのプロダクト、この戦場で必死に戦うよりも、得た利益で異なる戦場で、違うゲームをした方が、より簡単に、より素早く、より多くの利益を残せる可能性ある。端的に言うと「商品を変える」ということだ。
客単価
- リピート回数を増やす
- 価格を上げる
- 同時購入させる
などの方法で客単価はコントロールできる。この中でも②に関しては、2000円の商品を3000円にするのはなかなか難しいが、20000円の物を取り扱うのは比較的容易だ。つまりこれに関しては最初の出発点が重要で、もともと高単価の商材を狙っていくほうが、後々楽になる。
楽になると言うは、商品単価が高い場合、相対的に広告比率や送料比率が下がる。単純に原価率30%の商材で、PPC広告10クリックで販売できた場合の試算は下記のようになるからだ。
|
単価 |
原価 |
配送料 |
CPC |
粗利 |
利益 |
利益率 |
定単価商材 |
3,000 |
900 |
500 |
100 |
2,100 |
600 |
20% |
高単価商材 |
30,000 |
9,000 |
500 |
100 |
21,000 |
19,500 |
65% |
その上で同時購入で追加の商材を購入させたり、リピート回数を増やすと言う施策がある。リピート通販の場合はリピート回数を増やす施策を行うことで、3000円の商材を一人当たり30000円に化けさせる手法だ。リピーターが増えれば増えるほど、売上は積み上がっていく。
更に高度になれば、ダイエットサプリを低価格で販売し、高単価のジムやマンツーマントレーニングに誘導するアップセルなども有効だ。そうなるともう商材で利益を得る必要がなくなり、競合は競争できなくなる。
とりあえず、今ある商材で出来ることと言えば、
- 粗利が最大化する価格まで商品の価格を上げること
- 複数購入や同時購入を促す施策を打つこと
の2点で即座に改善が可能だ。
転換率
そのLPでどのくらいの購入率になるか?であるが、非常に効率よく転換率を改善していく方法はある。商材を変更したり、無い機能を追加したりは本質的ではあるが改善に非常に多くの時間と労力を消費してしまう。その点、画像や文字の変更だけで売上を向上させることが出来る技術はとても貴重だ。
また、多くの場合転換率を無視して集客を開始してしまうが、それではお金をかけて集客したお客の取りこぼしが大きく、とてももったいない。取りこぼしが最小限で済む様に、改善を繰り返して転換率をある程度高めてから集客した方が圧倒的に効率的だ。
amazonですぐに改善できる点は、メイン画像の6P目までの画像のレベルを向上させることだ。
トラストフォーマットを利用して適切なフォントやカラーを選択し、基本に沿った適切なデザインを行えば、それだけで画像のクリエイティブは圧倒的に向上する。
集客
市場規模が大きいカテゴリーの場合、集客の対象になるオーディエンスがほぼ無限にいる。そのため集客も非常に楽になるが、同時に競合も多いため集客単価が上がりやすい傾向にはある。広告などの有料の方法で集客することは、コストはかかるが比較的容易だ。
ただしコレと並行して、オーガニックの集客も当然増やしていく必要がある。
- CTR
- SEO
- 口コミ
この三つがとても重要だ。
CTR
まず、すぐに改善できる方法はCTRの改善だ。CTRが2倍になれば売上は2倍だからだ。そしてCTRの改善は非常に改善項目が少ない傾向にあり、レバレッジが効きやすい。amazonや楽天などの場合、CTRを計測できないことが多いが、他の方法で何かしらの方法で計測する様にしよう。
SEO
SEOに関しては転換率が高ければそのうち上がっていく。初期段階で強引に上げる手法としては、スーパーURLがポピュラーになっているが、これも呼び水のようなもので、本質的にその商品がSEOが上がりやすい状態になっていなければ苦しいだけだ。
口コミ
InstagramやFacebookなどのSNSやYoutubeなどで口コミを増やしていく方法だ。これも本当に価値の高い商品でなければ口コミにはならず、逆に価値が高ければある程度勝手に口コミされていく。価値の高いものを売ること。そしてそれを口コミさせるためにこちらからもアクションすること。の両方が必要になる。
改善施策の前に必要になる前提「記録」
最後に、最も大切なのはコレらを記録し、残していくことだ。
媒体はなんでも良い。数値が日別に正しく記録されており、それをあとで集計できる状態になっていること。そうすれば施策の結果を確認することができる。行動するだけでは足りず、その行動がどういった結果を残したのか?良かったのか悪かったのか?これらを繰り返し繰り返し実践していけば、遅い早いはあれば、最終的には同じ様に改善されていく。
逆に記録せずテストできない状態であれば、それは行動開始ま前から失敗しているのと同義だ。
毎日記録することはあまり気持ちのいい作業では無いので、アルバイト、または外注先にお願いしてしまうのが良いだろう。非常に単純な作業なので、外注しやすい労働のうちの一つだ。
そうすればあなたは、次の改善のためのクリエイティブな作業に集中することができる。