Q. ポジショニングする時に、競合のニーズが分からないし、自社のニーズも分からない。
A. よく調べてないだけ
ポジショニング理論は、本当に網羅的にマーケットを言語化していて、少しのヒントがあれば行動に移しやすくなっている。
ただし、理論を受け入れても、それを行動に転化できなければ結局意味はない。行動に結びつかない原因が数点あるが、それらを回避するため下記の3点を実行すれば問題ない。
- ポジショニング理論に全幅の信頼を置く
- スペック調査を十分に行う
- 具体的なポジショニング方法を理解する
ポジショニング理論に全幅の信頼を置く
なかでも結構重要なのが、元も子もない信頼の問題だ。多くの場合「やると決めたらやる」という決意が欠如している。これこそが根本的な問題なのだ。
やろうがやるまいが、失敗したら全て人のせい。では上手くいくものも上手くいかないものである。やるかやらないか決める自由は当然あるが、やるならば覚悟を決めて、言い訳無用でやるべきだ。
そうででないなら。やるな。
スペック調査を十分に行う
ポジショニング戦略と言うと、有名なマトリクスがとても印象的で、すぐにでもそれに取り掛かりたくなるものだ。実際そのように相談されることは非常に多い。
マトリクスに配置していくことをマッピングと呼ぶのだが、自分もすぐにでもマップを作りたいと思い、かつスペック調査とか本当にそんな事はどうでもいいのだ。と思うのであれば少し考えてみてほしい。どこに何があるか分からないのにどうやって地図を描くのだ?
- 競合のスペックは地形であり
- 自社のスペックは現在地だ
- そして、カテゴライズされたニーズは方角である
つまり、十二分にスペック調査を行う事は、ポジショニングを作る上で根底になる土台なのだ。スペック調査をほどほどにやっている状態でポジショニングするのは、目隠しで高速道路を走るようなものだ。私ならしない
具体的なポジショニング方法を知る
やる事をやった上で、競合のニーズや自社のニーズを発見・提案出来ないのであれば、ほんの少しのヒントを与えてやれば良い。ポジショニングの方法は主に4つに分類される。これはつまり差別化の種類であって、差別化はこのどれかに分類される
- 対抗型
- 便乗型
- 非定型
- 類型派生型
対抗型ポジショニング
既存の商品やブランド、旧コンセプトに対して、対抗する位置付けでポジショニングする方法である。iPhone7.iPhone8.iPhoneXなど、新しい型番で、古い型番を打ち消していく方法は、過去の自社商品を超えていく場合に多用される。
そのほかでは、無糖ソーダ、無糖コーラ、飲みやすい青汁、豪華カプセルホテル等、元々のイメージの反対の価値を提供する。
便乗型ポジショニング
〇〇ではない。として、既存商品に便乗する形でポジショニングしていく方法は、競合が強力で圧倒的な場合に有効だ。競合のブランドがあまりにも強い場合、競合を攻撃するとファンから思わぬ反撃を受けるが、この方法であればそれはない。
No. 1を攻撃するでも否定するでもなく、ただ第2の選択肢としてそこにある。むしろライバルを受け入れて隣に並べる事で認知の向上を図る。
否定型ポジショニング
ライバルのポジションを崩していく方法で、俗に言う、嫌なヤツ戦略である。ECでは比較表という形でこの戦略を具現化しているケースが多い。
コンセプト自体を攻撃する方法や、商品自体を攻撃する方法の他に、価格を大幅に引き下げる事で、ライバルが今まで不当に利益を得ていたように攻撃する方法まで多岐にわたる。ライバルのポジションを崩していく方法は無限にある。
ただし、ポジショニング崩しは非常に有効な反面、競合の成長を促す効果もある。つまり諸刃の剣だ。
類型派生型ポジショニング
恐らく最も差別化の方法が多いと思われる手法が、この類型派生型である。分かりやすい例ではレディースに対するメンズ、ただのコーヒーと朝用ワンダ。性別、年齢、時間帯、用途、サイズ、カラー、価格帯、動物用から虫用まで。シャンプーなど昔は頭のてっぺんからつま先まで洗ったものだ。
まとめ
ニーズの洗い出しが難しいと思う場合、この記事を参考に順序よくやってみてほしい。特に具体的なポジショニングの4つの方法については、自社のニーズを打ち出す際に参考になるはずだ。