そもそも、ニーズというものをあまり考えたことがない場合、ニーズの書き出しは困難を極める。ただし、ほんの少しの工夫で、自社の商品ニーズの書き出しは誰にでも可能になる。
参考にする書籍がある。サイモン・シネックのWhyから始めよ!だ。
ゴールデンサークルでは、Why, How, What, からニーズを分析するのだが、参考書籍とはいえ、これが非常に腑に落ちにくく理解に苦しむ。
- 「Why:なぜ」
- 「How:どうやって」
- 「What:何を」
何を言っているんだ?お前は?
まぁいい。
要点をかいつまんで言うと、多くの場合は「What / 何を」機能や成分から説明を始めるから心に響かず、「Why / なぜ」それはそもそもなぜ必要なのか?という所から説明を始めれば説得が容易になると言うものだ。初めからそう言え。
ECにどうやって応用していくのか?
私たちが気になっているのは、もちろん理論ではなく、それをどうやってECに応用することで儲けることが出来るか?である。
自社の現状を考えてみる
多くの場合、EC事業者は「すでに商品が決まっている」状態で販売戦略を考える必要に迫られる。そうでなくて一から作るのであればそれはとも良い状況だと言えるが、多くの場合はそうではないように思える。つまり「機能面が確定している」という制約がある。つまり、WhatもHowも確定している。
What |
How |
Why |
従来の2倍軽い |
新技術の金属加工 |
?????? |
つまり足りないのはWhyだけで、それがニーズなのだ。これをどう説明するか?が問題だ。というか、このWhatとかHowとかの分かりにくさと言ったらない。面倒なんで組み替える。
どんな事がデキるの? |
どうしてデキるの? |
Why |
従来の2倍軽い |
新技術の金属加工 |
?????? |
この方がよっぽど分かりやすい。
お婆ちゃんに説明するように説明する
Whyを考える時、これはコピーを考える時と同じなのだが、難しいことは言わずに「家電屋の店員になったつもりで、おばあちゃんに説明するように説明して」と依頼する。当然、普通はお婆ちゃんに難しいことは言わないだろう。難しいことを極力省いて、なるべく簡単に説明するはずだ。それを考えてみて欲しい。
難しいことを言いたくなるって?
あ〜。確かに。そう言う店員もいるな。面倒臭いことこの上ない。おそらくお婆ちゃんにも「わたしゃ難しいことはわかんないからさ」と言われるはずだ。それでも難しいことを言いたいのなら、まぁ好きにしたらいい。人生は自由選択に満ち満ちている。
例えば製品がカメラ三脚だとして
- 「カメラ三脚を外で利用するのでよく持ち運ぶのだが重くてしょうがない」
- 「持ち運びを簡単にしたい」
- 「軽いカメラ三脚が欲しい」
思考はこのような経路と辿る。1はただの不満だ。2がしたい事で、3が達成するための方法となる。お分かりだろうか?2がニーズなのだ。2を達成できるのであれば、3の方法は別になんでも良い。金属が軽いかどうかはどうでもいい。どうでもいいのだ。
もう一回言おう。
どうでもいい。
どんな事がデキるの? |
どうしてデキるの? |
お婆ちゃんに説明するには何て言う? |
従来の2倍軽い |
新技術の金属加工 |
すごい簡単に持ち運べる三脚あるよ |
そうすると、このような形で思考経路を逆走してニーズにフォーカスして考えることがデキるようになる。
結論
「新技術の金属加工方法」は「簡単に持ち運びたい」というニーズを満たすことがデキる。