amazonに限らないが、どの業界でも競合は存在する。非常に難しいのは、自社製品と同等品質か、さらに高品質なものを低価格で販売されてしまう時だ。現状SEOとランキングの両方で1位を獲得できていたとしても、そんな強力な競合が出現してしまった時は大変だ。その時の為の具体策を考えてみよう。
施策の前に情報収拾
まずはじめに必要なのは、闇雲に施策を考えることではなく、現状把握を行うことだ。すぐに打ち手が思い浮かばない時、それは情報不足であることを示している。迫られていると感じるときは平常心を保つのが難しいが、一旦冷静になって箇条書きで書き出してみよう。
- 販売数量の開きはどの程度あるか?(調査しよう)
- SEOの開きはどの程度あるか?どのくらいで逆転しそうか?
- 価格差は何%の開きがあるか?
- 配送スピードはどのくらい差があるか?
- 商品ページのクオリティはどのくらいの差があるか?
- 相手の事業規模はどの程度か?
- その商品にどの程度注力しているか?
- etc
などの情報を調べてみよう
具体的な施策を考えてみる
大枠で考えられる二つの戦略
- 差別化のポイントを考え実現する
- 同じステージの消耗戦で勝ち切る
大枠でどちらかの戦略を選択することになるだろう。差別化できるのであれば良いが、それができないのであれば、同じステージで消耗戦を行うしかない。つまり安売り合戦だ。ある意味では安売りは最強のマーケティングではある。②は簡単に実行できるが、それで結果と出すためには本質的な実力が求められるため難しい。
従って、多くの場合①であれば利益を健全に出し続けることができる。ただしこれにも問題はあり、製品が実は全く同じ、という簡易OEMの様な場合には、そもそも差別化する要因がないため難しくなる。これを俗に「コモディティ化」と呼ぶ。だだし、新しい機能の追加や、不足している機能の改善で「その他一般」とは違いがある製品に育てていくことは可能だ。
差別化を行なっていく為の具体的な方法
レビューからヒントを得る
差別化を行なっていく為のヒントになるのは、月並みではあるが「レビューからヒントを得る」と言うことだ。顧客が不満を感じていることを、他者が改善して製品をリリースする前に、自社で対応していくのだ。これで改善を繰り返すことができる。
電話からヒントを得る
もう一つは、電話やメールなどのレビュー以外から得られる情報を元に改善を行なっていく方法だ。すでにスタッフや外注先に作業をアウトソースしている場合、これらの声が聞こえなくなってくる。従って、対応の履歴をチャットに書き込んでもらうのは効果的だろう。
その中でもオススメなのは、電話対応をチャットに記録することだ。基本的に作業のログは残しておく必要があるとは思うのだが、チャットであれば作業報告とメモの両方を即座に実行でき、ツールも遷移しない為ロスタイムも少ない。専用のチャットルームを作成しておくとスムーズだ。
スタッフに協力してもらう
改善要望をメモしておく場所があればなお良い。スタッフが自発的に改善要望を記録し、それをプロダクト開発に活かしていくことができれば、社内で良い循環が生まれる。ただしこれは容易ではない。多くの場合スタッフは自発的には動かないからだ。何らかのインセンティブが必要になる。
消耗戦で勝ち切る
オススメしない戦略だが、具体的には原価を下げるというアクションが必要になる。もともと潤沢な利益を得ていたのであれば、適正な粗利になると言うこともある。元々の状態からどの様にするか?になるため方法は複数あるがどれも的外れになることもある。
- 航空便から船便に変更する
- 代行会社を抜き、自社で仕入れる
- FBAへの納品をチャーター便で納品する
- コンテナをFBAに直接納品する
- FBAより安い倉庫から出荷する
- 安い送料の倉庫と契約する
- JANコードで納品する
- 工場に打診してみる
- 工場を変える
- メーカー仕入れから工場仕入れに変更する
- 工場を作って自社生産にする
- etc
他にもあるだろう。ぜひ考えてみてほしい。なんかあればコメントをくれ。
撤退を視野に入れる
やれることは多分にある。ただ、少し冷静になって
「この商品に今後もそれだけ注力する価値はあるか?」と疑問を持ってほしい。達成すべき目標があり、そのプロダクトはただの手段であるならば、そのプロダクトに固執する意味は果たしてどのくらいあるだろうか?
もしも、もしもだ。
今回はたまたま上手くいったが、それは先行者利益であって、今後壮絶な消耗戦になる戦場なのだとしたら?
利益が出ているうちに綺麗に撤退し、残った利益でもっとレバレッジの効くプロダクトに注力した方が、あなたの目標達成に近くのではないだろうか?
敗戦処理は、思っているよりも重要な時がある。
まとめ
ということで、まずは情報収拾を行い、市場をよくよく見極めて、今利益が出ているプロダクトも撤退する時は必ずある、と肝に命じて日々行動していけば、恐らくあなたの利益は高い確率で守られる。