OEM単品通販は「損益分岐点」を明確にしよう

OEM単品通販は「損益分岐点」を明確にしよう

楽天を始めると、単品をむちゃくちゃ売っている店舗に出会います。楽天はOEM単品通販にとても適した場所で、「楽天ドリーム」目指して私も頑張っています。OEM単品通販は、その場しのぎや、何となく販売ではなく、しっかりとした戦略が求められます。まずは、利益がきちんと確保できるよう、売上目標を作成するために、損益分岐点を知る必要があります。

OEM単品通販とは何か?

一つの商品を大量に売るのがOEM単品通販

単品通販は、一つの商品にリソースの全てを注ぎ、一点突破で販売力を最大限に高めて競合を撃破する戦略です。ランチェスター戦略で説明されている内容が、単品通販のビジネスモデルと酷似しています。とてもザックリいうと、儲かります。

楽天店舗の売上特徴分析をしました。

Nint (ニント)というWEBツールがありまして、以前このツールで分析を行なった事があります。Nint (ニント) は楽天の売上分析を行なう事が出来るツールで、市場調査に使う事が出来ます。市場規模を計測する事が出来る点では、非常に有効なツールだと思います。(が、しかし、本当に高い。。。高すぎます。)ご興味がある方はトライアルしてみてください。的中率は7割くらいです。Nint (ニント)Nint(ニント)を使った売れてる楽天ショップの売上分析結果 https://www.youtube.com/watch?v=MWgeWr7P1nM

圧倒的に売り上げるには「単品通販」がキーになる

このツールの分析結果から、楽天市場は大きく、だいたい3つくらいの特徴に分類が出来ました。
  • Aランク:年商3億以上
  • Bランク:年商1億〜3億くらい
  • Cランク:年商7000万以下
ランク毎に面白い特徴がありまして、Aランクは、全ての商品を平均的にもの凄い数売ってます。まさにモンスター。Cランクも、全ての商品を平均的に売っているのですが、数がとても少ないため、月間の売上も少ないです。問題はBランクで、かなり高確率で、単品通販を成功させているのです。しかも単品の売上が、月商の6割程度を占めるという事が多く、TOP3で、月商の9割を売っているというのもザラでした。CランクからBランクに昇格するには、「単品通販」がキーになるのです。

楽天ドリームは存在する

単品で3000万売ったとう女性もいれば、単品2200万売ったというおっさんもいました。Nint (ニント)で分析する限り、単品500万とかは結構ザラでしたので、楽天ドリームはまだまだ眠っているのです。燃えますね〜。

損益分岐点とは何か?

コストと利益を比較して、利益が出るポイントの事

コストには大きく、固定費と変動費があり、両方合わせた上で計算する必要があります。単品の利益に対して、固定費は大きいのが普通ですから、1個2個売っただけではもちろん回収できません。100個売ったら黒字になる、200個売ったら黒字になる。その分岐点の事を、損益分岐点と呼びます。

固定費とは何か?

広告費等に代表される、商品の販売とは無関係に支出される費用の事です。売っても売らなくても支出されます。代表的な固定費は6種類です。
  1. 商品開発費(パッケージ制作等)
  2. 広告費
  3. 販売拡張費(販路を増やす場合にかかる費用)
  4. 販促費(おまけや、抽選プレゼントの景品等)
  5. 広報費(プレスリリース等)
  6. 調査費(製品を販売するために調べる人件費や経費)

変動費とは何か?

ネット通販であれば、個別の配送料等に代表される、販売毎にかかる経費の事です。100個売れば、100をかけ算しないと求める事ができません。代表的な変動費は下記の4つです。
  1. 製品の原価
  2. エンドユーザーへの配送料
  3. 配送にかかる梱包料
  4. モールの手数料

損益分岐点を明確にするメリット

採算が取れるビジネスであるか明確できる

採算が取れるかどうかはとても大切ですが、広告を投入するようになると、以外と計算されていないのが現状のようです。このビジネス、もしくは、この商品、単体で儲かっているのか、赤字なのか、明確にする事ができます。

投資予算を明確にできる

投資予算を明確に出来ます。投資予算は、広告費の他に、製品のグレードアップするための開発費や、広報費等が必要ですが、これは継続的に投資する必要があります。レビューを貰うために何かするのにもお金が必要ですが、これも投資予算に含まれます。販促費です。投資予算を明確にできれば、継続して投資が可能ですから、差別化ができます。

売上目標を明確にできる

損益分岐点の算出は、粗利が出るポイントを明確にできるので、「最低でもここまでは」という目標が明確になります。これは思っているよりも重要で、何も考えていないと、何も行動できなくなります。逆に、ここまで売らないと赤字!とわかっていれば、そこまではなんとしてもやるのが心理です。またもの凄い粗利額を目にすると、やはり頑張ろうという気になります。

売上・粗利を最大化する目標を設定できる

広告費というのは、正直10万とかいきなり出せと言われても、出るもんじゃないです。どんなに稼いでいる人でも、というか稼いでいる人ほど、広告費にはシビアです。「最大化できる」というのには理由があって、例えば10万円の広告費を投資して500個販売し、16万円の粗利を確保できるとしましょう。ところが、3倍の30万円の広告費を投資すれば、倍売り上がり、1000個販売して、29万円の粗利を得る事が出来るかもしれないのです。あとは「3倍売り上げる広告を探すだけ」ということになります。そこが、問題です。

損益分岐点を明確にしないデメリット

採算が取れないビジネスを継続する可能性がある

損益分岐点が明確でないと、固定費で赤字になる可能性がありますが、数字で確認していないので、結構どうでもよくなります。しかし、現実に赤字は垂れ流すわけです。まずは数字を確認するのが大切です。

融資の申請時等、対外的な場面で説得力が無い

例えば、とても売れる事がわかっていたら、在庫を確保するために融資の申請をするかもしれません。実際楽天ドリームを引き当てた会社は資金繰りに追われるようで、融資を獲得できないと、最悪、黒字倒産します。売れまくっても、楽天の入金サイクルは遅いので、入金前にお金がなくなって「ボンッ!」です。融資を獲得するときに、損益分岐点の計算書は非常に説得力のある書類になります。

具体的な損益分岐点の明確化方法

簡単に計算できるスプレッドシートをプレゼント

簡単に計算できるスプレッドシートをプレゼントします。もともと私がMacを使っていることもあり、シートはMacのNumbers用です。Excel用はありません。PDFをダウンロードできるようにしておくので、ご自身でExcelシートを作成する時の参考にお使いください。本当は自分で作った方が中身を理解できて良いです。銀行マンのするどいツッコミに動転してしまいますので。 Numbersのシートは、オレンジ色の枠に入力すると、各項目を計算してくれるようになります。項目値の意味は下記をご覧ください。

「販売個数の単位」を入力する

販売個数の単位を変更します。商品によって売れ行きが異なりますので、適切な数字に変更したら良いです。①に入力すると、②の値と計算値が変更されます。販売個数毎の数値が丸わかりになります。

「単価」を入力する

商品の販売単価を入力します。1980円で販売しているのであれば、1980です。単価は決めないとダメで、ちょこちょこ価格を変えているようじゃダメなんです。価格決定権を有する事が出来ないと、ここを設定する事が出来ず、計画する事が出来なくなります。

「販売目標」を入力する

販売目標は、商品の販売個数ベースで入力します。「目標売上高」も変更されますので、目標金額も明確になります。物販ですから、個数ベースで計算する方が自然です。

「製品原価」を入力する

製品の原価は、自社に納品されるまでにかかったコストです。輸入関税や消費税など、諸々含めて「原価」です。エンドユーザーへの発送にかかるコストは、ここでは「原価」と切り離して考えます。棚卸しするときの金額が「原価」です。

「変動費」を入力する

変動費は、販売毎にかかるコストの事です。製品を発送する時のコストや、モールの手数料の合計を記入します。わかりにくい場合は、上記した「変動費とは何か?」を再度確認して下さい。

「固定費」を入力する

固定費は、ある一定の期間での固定費、という事になりますので、単月でも年間でも良いわけなのです。単月で計算する場合は、初月のみ商品開発費が必要でしょうし、次月から広告費に回しても良いかもしれません。「何に投資するか?」を明確にする必要があります。

計算方法に関して

粗利率と利益率に関しては、思っているものと違う数字になるかもしれません。計算方法も記載していますので、気に入らなければ直して下さい。正解は無い部分です。

まとめ

楽天はOEM単品通販がとても面白いです。ランディングページで遊べますし、研究した結果はダイレクトに売上に響きます。ただ、面倒くさすぎるので、Amazonでサクッと売れちゃったりすると、何でこんなに手間をかけてるんだろう?っとバカ臭くなる時はあります。Amazonは簡単すぎるので。ただし、楽天でもAmazonでも両方で売れだすとヤバいですね。OEM単品通販の醍醐味です。