第2章:価値の3層構造フレーム
── 機能・目的・感情、それぞれのレイヤーを見抜く力
■ なぜ価値を“分解”する必要があるのか?
「価値=感情の変化」とわかったとしても、
いきなり「どんな感情を届けるか?」と問われても、そう簡単には出てきません。
なぜなら、商品というものは複数の層にまたがって価値を持っているからです。
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スペックや特徴(機能)
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使う目的(状態変化)
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その先にある感情(本質的価値)
これらを分けて理解し、つなげて設計する力が必要です。
■ 価値の3層構造とは?
ここでは価値を、以下の3つのレイヤーで捉えます:
【1】機能(WHAT)
「何ができるのか?」=商品が持つスペック・特徴
【2】目的(WHY)
「なぜそれを使うのか?」=ユーザーが求める状態の変化
【3】感情(SO WHAT)
「それによって、どう感じたいのか?」=本質的に得たい心の変化
■ 具体例で理解する:シューズシャンプー

→ 最終的に人は、機能ではなく「気分」にお金を払っている。
■ 応用例:他業種でも共通する価値構造

■ ワーク:自社商品の3層構造を書き出してみよう
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あなたの商品は、**どんな機能(WHAT)**を提供しているか?
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その機能で、**どんな目的(WHY)**を達成しようとしているか?
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その目的が達成されたとき、**顧客はどんな感情(SO WHAT)**を得ているか?
👉この3層が一貫してつながっているかを確認する
■ ブランド設計の指針としての“感情レイヤー”
多くのブランドは、「何をするか」までは決めている。
「なぜそれが必要か」までは考えることもある。
しかし――
「それで、顧客はどんな気持ちになるのか?」
ここまで考え抜かれている商品は、実は少ない。
だからこそ、この“感情レイヤー”があなたのブランドの差別化ポイントになるのです。
■ まとめ:価値は、感情に着地して初めて成立する
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スペック=ただの道具
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目的=ただの状態変化
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感情=ようやく「買いたい」に届く場所
この3層を分解・整理・設計できるようになることで、
ブランドマネージャーとしての価値定義力は飛躍的に高まります。
次章では、このフレームを実際の企画・マーケティング・表現にどう生かすか?
価値の「見つけ方・磨き方・届け方」を扱います。