第1章:価値とは“感情の変化”である
■ 顧客は、何を買っているのか?
人はモノを買っているようで、モノを買っていません。
価格で判断しているようで、価格だけでは決めていません。
では、顧客は本当は何を求めているのか?
答えはこうです。
人は「感情の変化」を買っている。
■ 商品は“感情の媒介装置”にすぎない
たとえば…
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シューズシャンプーが売れているのは、泡が濃密だからではない
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コスメが売れているのは、保湿力が高いからでもない
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サプリメントが売れているのは、成分が希少だからでもない
これらはすべて、**“感情を動かすための手段”**でしかありません。
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泡で靴がきれいになる → 気分がすっきりする
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保湿されて肌がなめらかになる → 自分を大切にしている気持ちになる
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栄養が摂れて健康を維持できる → 未来への安心を感じられる
商品が機能を果たした“その先”にある、気持ちの前後差=変化。
それこそが、顧客が本当に欲しい「価値」です。
■ 機能ではなく「感情の前後差」を設計する
ここで、視点をずらしてみましょう。

商品が与えるべきなのは、状態の変化ではなく、感情の変化です。
■ あなたは、どんな感情を届けたいのか?
ブランドマネージャーの仕事は、商品のスペックを決めることではありません。
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どんな感情を届けるのか?
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どんな感情の変化を支えるのか?
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その変化を引き起こすために、どんな体験を設計するのか?
この問いを持ち続けることこそが、「価値を定義する」という仕事の本質です。
■ まとめ:「感情が動かないものには、価値がない」
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どれだけ高性能でも、心が動かなければ売れない
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どれだけ工夫しても、気持ちが動かなければ広まらない
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どれだけ言葉を尽くしても、感情に届かなければ伝わらない
だからこそ、ブランドマネージャーは**「感情の変化をつくる人」**として価値を見つめ直す必要があります。