アウトソーシング戦略 - 用語定義
■ 外注(アウトソーシング)
外部の事業者や個人に業務を委託すること。
本来は成果物または業務遂行の完了を目的とし、**指揮命令のない契約関係(請負・委任)**を前提とする。
一時的な労働力調達ではなく、構造設計上の機能分離として行われるべき。
■ 業務委託
法的には雇用ではなく、業務の遂行や成果の納品を目的とした契約行為。
業務遂行の手段や過程には原則として介入せず、成果責任を持つ独立した関係が前提。
■ コア業務
社員や経営層が担うべき、判断・設計・改善・戦略立案・関係構築など、
再現性がなく、経営インパクトが大きく、外部化できない業務のこと。
■ 外注業務
再現性があり、明文化可能で、成果物や手順が定義可能な業務。
非コアかつ手離れが良い作業系・オペレーション業務が代表的。
また、プロフェッショナル業務であっても社内で保有する必要のない専門性は外注対象となる。
■ 隠れ人件費
給与には現れない、社員1人あたりにかかっている間接的なコストのこと。
社会保険料、オフィス家賃、教育工数、管理コスト、備品、福利厚生、勤怠管理などを含む。
一般に、社員の実質的コストは額面給料の1.5〜2倍とされる。
■ 採用=労働資源の仕入れ
社員の採用とは、労働力(時間×能力)を戦略的に調達することである。
企業経営において、ヒトは“雇用”ではなく“価値創出の装置”として位置づけるべきであり、
効果の高いリソースに適切なコストを投下する仕入れ行為と捉える。
■ 第二領域
『7つの習慣』における「重要だが緊急でない」業務の領域。
仕組み化、改善、戦略設計、学習、関係構築など、未来の成果を高める活動。
社員はこの領域に時間を配分することが、組織の持続的進化につながる。
■ 戦略的「暇」
構造と裁量が整い、社員が“自らの意志で未来を設計できる余白”を持っている状態。
手を動かすのではなく、価値を設計し、再現し、拡張することに集中できる状態こそが、理想的な労働である。
暇は怠惰ではなく、意図された高次資源である。
■ 業務仕分けマトリクス
業務を「再現性の高さ × 経営インパクトの大きさ」の2軸で評価し、
社内化・外注化・自動化などの手段を論理的に振り分ける設計ツール。
感覚や属人性ではなく、構造的な判断を支援する可視化ツールとして用いる。