Career Compass
キャリアコンパス導入にあたって
この説明では、マーケター向けのMCCにフォーカスして説明いたします。マーケター向けのMCC、デザイナー向けのDCCがあります。
■ なぜMCCが生まれたのか?
これまで多くの企業で行われていたマーケターの評価は、「成果(売上やCV数など)」に偏りがちで、スキルや成長のプロセスが見えづらいという課題がありました。
また、上長の主観によって評価がブレることもあり、評価に対する納得感が低くなったり、成長実感を得づらい環境になってしまうことも少なくありませんでした。
MCC(マーケティングキャリアコンパス)は、こうした課題を解決するために、
「マーケターが持つべき能力」を体系的に整理し、
それを育成と評価の両面で活用できる“地図”として提示するために生まれました。
■ 名前に込めた想い:Marketing Career Compass
“コンパス(Compass)”という言葉には、次のような意味を込めています。
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自分の現在地を知るための道具であること
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成長の方向性を示す指針であること
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チームメンバーやマネージャーが、共通言語で対話できる基盤であること
MCCは、「あなたは今ここにいて、次に目指すべきレベルはこれだよ」と、キャリアの羅針盤のように活用できる仕組みです。
■ MCC評価プロセス:3つのステップ
MCCでは、単なる「点数付け」ではなく、対話と納得を前提とした3ステップのプロセスを重視します。
1. 自己評価
まず、メンバー自身が「自分は今、どのレベルにいるか?」をスコア(0〜5)で自己評価します。
このとき、単なる主観的スコアではなく、**「具体的な行動や成果」「そのスコアにした理由」**を記入することで、内省と棚卸しの機会にします。
2. 上長評価
次に、マネージャーが同じ項目について評価を行います。
評価の際には、なぜそのスコアを付けたのかという根拠コメントを添えることが原則です。
これにより、評価基準がブラックボックス化せず、フェアな対話の土台となります。
3. 合意評価(すり合わせ)
自己評価と上長評価に差がある場合は、お互いの認識や視点を共有する時間を取ります。
ここで重要なのは、評価の“正解”を決めることではなく、
「なぜ差があったのか」「どのように成長につなげるか」を一緒に言語化し、
次のアクション(育成・学習・チャレンジ)を明確にすることです。
テンプレートでは、各スキル項目(小分類)ごとに、以下の情報を記入していきます。
これにより、評価結果が「点数」ではなく「成長の物語」として残っていきます。
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点数の一致を目的にしないこと
評価のすり合わせは、「正解探し」ではなく「認識のすり合わせ」と「成長の合意」です。 -
差が出ることは自然なこと
自己評価が高すぎても低すぎても、対話を通じて相互理解が深まるきっかけにできます。 -
定性評価だけでなく、行動や成果の具体例を必ず添えること
評価が納得されるためには、「言語化された事実」が不可欠です。 -
定期的な運用をすること
1回きりの評価ではなく、半年〜四半期ごとの反復によって、成長と変化が蓄積されていきます。
■ まとめ
MCCは「マーケターの評価制度」ではなく、
マーケターが自分の成長を自ら設計できるようにする育成フレームワークです。
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成長の現在地と方向性を見える化する
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自己認識とフィードバックをつなぐ
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組織としてマーケティング力を底上げする
これらを実現するために、評価を「管理」ではなく「対話と育成」のツールとして捉え、MCCを最大限活用していきましょう。