WICAD Step 3|Consensus:合意形成で業務の“共通言語”を持つ
■ なぜ「合意」が必要なのか?
意図(Intent)が明確に伝えられ、業務フロー(Workflow)が設計されたとしても、
それが相手に正しく理解されているとは限りません。
業務のズレ、誤解、やり直しの多くは、
「確認を取ったつもり」「わかっているはず」という思い込みから発生します。
合意とは、「認識の一致」であり、
“やるべきこと・やり方・目的”について、双方の認識を揃えるプロセスです。
この確認を“対話”によって行うのが、Step 3:Consensusです。
✅ 合意形成は「作業の確認」ではなく、「構造のすり合わせ」
多くの上司が行ってしまう間違いは、
「じゃあ、これお願い」で済ませてしまうことです。
でも、確認すべきは以下のようなポイントです:

🎯 合意の確認方法は「質問ベース」が有効
「大丈夫?」「わかった?」では確認になりません。
代わりに以下のような理解チェック型の質問が効果的です:
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この業務、どういう目的でやるか説明してみて
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成果物って何になる?どうなったら“完了”だと思う?
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進める中で、どこで相談したほうがいいと思う?
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逆に、どこは自分で判断していいと思う?
💡 描画したワークフローでConsensusをとる
上記の質問ベースの確認方法ですが、「大変だ。。。」を思いませんでしたか?そうです。大変なんです。そこで活躍するのが描画されたワークフローです。開始基準、完了基準、タスク、判断基準、担当者が明確になっているため、判断を間違えにくい特性が、このコンセンサスの部分で有効になってきます。
✅ Consensusで確認すべきチェックポイント一覧

🧠 Consensusは「レビュー」ではなく「共同設計」である
合意とは、「上司が答え合わせをする」時間ではなく、
「部下と構造を再構築する」時間です。
この場で得られるのは、
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相手の理解度
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フローのズレ
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判断基準のブレ
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意図の伝わり方
であり、同時に部下の成長フェーズを見極める重要なタイミングでもあります。
✅ まとめ:Consensusは「マネージャーの最後の設計チャンス」
ここでのすり合わせを怠れば、
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小さなズレが後で大きな手戻りになる
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上司と部下の信頼関係に亀裂が生まれる
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「勝手に進められた」「聞いてない」といったトラブルが起きる
合意は「確認」ではなく「設計」の仕上げである。
この一手間が、“任せて終わり”ではなく“任せて育てる”マネジメントに変わる鍵となる。